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AirPodsなど”Hearable”(ヒアラブル)がウェアラブル市場を変える
今年はAirPods・Pixel Buds・Galaxy Budsの名前を刻むべき!
皆さんはAirPodsを知っていますか?
さすがにiPhoneユーザーの方は知っているのではないでしょうか?
AirPodsはApple社の開発するワイヤレスイヤフォンの名称です。
イヤホンケーブルのない新しいイヤフォンとして印象に残った人も多いと思います。
Pixel BudsはGoogle社の発売しているワイヤレスイヤフォンです。
“Buds”は「つぼみ」という意味で見た目が、草木のつぼみに似ていることから、
名付けられたものだと推測できます。
同様にGalaxy Budsはサムスン社のワイヤレスイヤフォンです。
これら「ワイヤレスイヤフォン」は実は「ウェアラブル製品」であり、
散々用途に悩んできたウェアラブル市場で今や市場を牽引する製品なのです。
IDCによるとワイヤレスイヤフォンは前年比66.4%の伸び
IDCによるとSiriやGoogle Assistantと連携しているヘッドフォンやイヤフォンは、
ウェアラブル製品であると見なされます。
これらの機器は、前年同期比66.4%の伸びを示し、
ウェアラブル市場の21.9%を占めていると分析しています。
ウェアラブル市場の中心はスマートウォッチだが、ヒアラブルも注目
BEATSヘッドフォンもウェアラブル市場で急激な人気上昇
IDCによると、スマートウォッチは引き続き大きな成功を収めている。
前年比55.2%の成長を続け、ウェアラブル市場の34.2%を占めている。
このウェアラブル業界においてAppleは依然としてリーダーであり、
市場の27.4%を占め、前年比21.5%の成長を続けています。
2018年第4四半期にAppleは世界で1,620万個のウェアラブル製品を出荷したが、
そのうち1040万個がApple Watchであると分析している。
なお、残りはAirPodsとBeats by Dr. Dreのヘッドフォンが占めている。
ビーツは2004年にAppleが30億ドル(約3,000億円)で買収した企業である。
なぜ「ヒアラブル」に注目すべきなのか?
イヤフォンは音楽を個人が楽しめるようにするための重要なツールです。
ウォークマンの発売以降普及したヘッドフォンやイヤフォンは、
40年以上経った現在においてもそのままの形で販売されています。
Beatsのような新興メーカーもマーケティングによりスターダムにのし上がりましたが、
音はこだわりを持つマニアも多く、様々なオーディオメーカーがしのぎを削っています。
既存のユーザーにいかに先端サービスの恩恵を感じてもらえるかが重要
ヒアラブル(Hearable)に注目すべき第1の理由として、
「より身近に、簡単に音声入力を行うための自然な製品」であることが挙げられます。
これまでウェアラブル製品はスマートウォッチやVRグラス、繊維センサーなど、
「着る」「つける」ことを意識的に行う必要性がありました。
しかし、ウェアラブルの本質はそこにはありません。
毎日、自然に身につけるものこそがウェアラブルであり、
そうでなければ、キャズムを超えることはまずないと言えます。
ヒアラブル製品の多くは第1にイヤフォンでありながら、
最先端の技術を備えることでより便利に活用することが可能な製品です。
これは既存のイヤフォンユーザーにとってはとても大切なことです。
あくまで、お気に入りのイヤフォンを使っていながら、より便利になるのですから。
ヒアラブルは補聴器(ヒアリングエイド)のあり方を変える
米補聴器メディアeveryday HEARINGによるとヒアラブルは以下のように定義されます。
ヒアラブルは、ワイヤレスのインイヤー型コンピューター用イヤホンです。基本的に耳道に収まり、あなたのリスニング体験を補完し強化するために無線技術を利用するマイクロコンピュータを持っています。
つまり、補聴器がこれまで以上に高機能になるということです。
既に補聴器は音声増幅機能だけでなく雑音除去機能やブルートゥース接続機能を持ちます。
しかし、今後ヒアラブルテックが補聴器のあり方をさらに変えていく可能性があります。
例えば補聴器を装着していれば、心拍や血圧も同時に測定することができたり、
お年寄りの健康推進のための歩数計なども組み込むことが可能になるでしょう。
すでに、最新の補聴器にはスマートフォンアプリから、
自分にあった調整を可能にする機能が備わっているものがあります。
今後はヒアラブルによりイヤフォンと補聴器がより近づく
現在、米国では補聴器はFDAの認可が必要な医療機器ですし、
日本でも厚生労働省により「管理医療機器」の認定がされています。
一方で米国では補聴器は各州の法律に従って販売する医療機器ですが、
日本では「認定補聴器技能者」という業界団体の資格があるのみで、
各店舗に責任者を置くことが義務付けられているものの、
資格の有無は販売可能・不可能かとは関係ないため、
フィッティング技能の水準には各店舗ごとに大きな差ができています。
補聴器のフィッティングは装用者によって様々な個性があるため、
聴力レベルに応じて「これ」と当てはめられるほど一筋縄ではいきません。
しかし、今後ヒアラブルテックが導入されることで、
装用者のきこえの度合いを補聴器が自動的に判定し、もしくはアプリ等で、
質問に答え、自動的にAIが修正することで、
この問題を解消することができるかもしれません。
補聴器市場は国内で数千億円程度あり、ヘッドフォンメーカーであるBOSEも、
FDAから補聴器としての認定を得た製品を開発していることから見ても、
既存のプレイヤーを代替する新たなイノベーションが生まれそうな気配です。
今後もSmartWatch&Wearableではヒアラブル(Hearable)に注目し続けます。
Source: AirPods and other hearables are helping to spearhead wearable growth