ソニーのスマートウォッチ「FES Watch U」を初めて見る人は誰もが驚くだろう。
世界初、電子ペーパーをスマートウォッチに採用
その白黒の時計はシンプルであるが、フェイスだけではなくバンドも含めてすべてが電子ペーパーを使っているのである。電子ペーパーはAmazonのKindleなどにも使われている技術だ。みなさんも曲がる液晶を見たことがあるだろうが、液晶はバックライトが必要であるために電池の消費も大きい。
こと腕時計に使用するにおいてはその消費電力の大きさは結構な問題で、最新のスマートウォッチでもGPSなど通信を頻繁にするアプリを起動している場合は1日と持たないこともある。
ソニーの次世代電子ペーパーを使ったスマートウォッチはスマートではないので「ペーパーウォッチ」と言われているが、それではあまり印象が良くないだろう。自分だけのスマートに見せるための時計であるならば、「オウン・スマート・ウォッチ」と名付けてもいいかもしれない。
ステータスではなく個性を表現する腕時計
このソニーの製品はApple WatchやWear OSのようにアプリを入れることはできない。その点においてスマートであるかという論点はあるが、それが逆に電池の持ちがとてもいいという強みとなっている。またアーティストにおすすめの個性的なフェイスやバンドを自ら作ることもできるという特徴を持っている。
つまりこの製品はスマートウォッチというよりもむしろ、個性的なオリジナル腕時計というほうが近い。大量生産された腕時計だろうが手作りだろうが腕時計としての機能は果たすが、その腕時計が所有者の個性を表しているのかと言えばそうではない。
ステータス・シンボルとしての高級腕時計はその所有者の社会的地位や財力を示すのに十分であるが、それ以外の個性を何一つ示していない。その人がクリエイティブなのかそうでないのか、どんなデザインに心惹かれるのか、なんのキャラクターがお気に入りなのか。
その点、このFES Watch Uはその点を表現するにピッタリの腕時計だ。フェイスのデザインは専用アプリ「FES Closet」から編集できる。写真を使ってもいい、自分のデザインした幾何学模様を使ってもいい。
ラインナップはプレミアムブラックとシルバーの2色
ラインナップはプレミアムブラックとシルバーの2種類、ブラックの方は少し高めの価格設定だが、一般的なガラスからこのWatch Uにおいてはサファイアガラスを採用している。これにより耐久性は高くなるだろう。
防水性はもちろん、大きさは43mmと大きめ、暑さ12mmは大柄の人でもボリュームを感じるはずだ。ストラップは電子ペーパーが入っているのでもちろん交換できないし、デザインの面から言えば自由に交換可能だ。
物理的なボタンはただ一つだけ用意されており、デザインを変えるためだけに付いているのだ。内蔵バッテリーは2.5時間の充電でなんと2週間の持続時間がある。このデジタル時代において、初期の携帯電話のような驚異的な持続時間である。
このペーパーウォッチは確かにスマートではなく「クール・ウォッチ」なのかもしれない。
公式: SONY FES Watch U
Source: WEREABLE