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Apple Watchの脈拍測定機能とその精度
BPMは1分間あたりの心拍数
Apple Watchで脈拍、心拍数を測定できることは皆さんご存知ですよね。この機能は1分あたりの心拍数を測るものでBPM(Beat per minutes)と表記されます。
例えば70BPMだとだいたい1分に70回心臓が鼓動をすることになります。平均的な男性であれば平常時は60~80くらいになるのではないでしょうか。
一方で眠たいときは50〜60BPMくらいに心拍数が落ちますし、激しい運動をするときは180~190BPMまで上昇することがあります。
心臓に付加を掛けることで心臓が強くなりますので、スポーツ選手などは短距離ダッシュを繰り返し行うことでトレーニングをより効率の良いものにすることが知られています。
Apple Watchでは30〜210BPMまでの広い範囲で測定が可能です。
Apple Watchの心拍数測定精度を上げるには?
基本的にはどのスマートウォッチにも搭載されている心拍数の測定機能ですが、その測定の原理や仕組みはおおよそ同じで、緑色の発光ダイオードの反射をセンサーで計測することで血流が増えている瞬間を数えています。
この仕組みは「光電式容積脈波記録法」と呼ばれています。
光からの反射を用いているため、しっかりとLEDが皮膚に付いている必要性があります。つまり、背面が正確に手首に装着されているかどうかが正確に測るための大きなポイントです。
またアップルの公式Webサイトでは以下のような場合もApple Watchでの心拍数測定精度が変動してしまうことがわかっています。
タトゥー (刺青) などによる永続的ないし一時的な皮膚の変化も心拍センサーに影響を及ぼすことがあります。タトゥー (刺青) のインク、図柄、濃さによってはセンサーからの光が遮られ、正確な測定が難しくなることがあります。
動きも心拍センサーに影響を及ぼす要因のひとつです。ランニングやサイクリングのようなリズミカルな動きをしている時のほうが、テニスやボクシングのような不規則な動きをしている時よりも測定しやすくなります。
Patently Apple誌が取り上げた最新のApple Watch特許
バンド部分にひずみゲージを搭載するという特許
今回アメリカのPatently Apple誌が取り上げた最新の特許では、なんとApple Watchのバンド部分にひずみゲージが搭載されています。
この、ひずみゲージというのは曲げることで抵抗が増える性質をもつ「抵抗器」です。
前述の通り、バンドがしっかり皮膚についていない場合は、心拍数のようなバイオメトリック測定値を取得するのに十分ではなりません。しかし、そうであるからと言ってちゃんと着けているかどうかを判断することは難しいことです。
そこで正しい測定値を取得できるまでバンドを調整するようにユーザーに促すために、ひずみゲージから曲げ度合いを計測し、ユーザーにフィードバックを行う仕組みが今回Appleの申請した特許には含まれています。
図のようにApple Watchのバンドとケースの間にひずみゲージが配置され、そしてそのひずみを多方向で測定することで正確に装着できているか否かを判断するわけです。
Apple Watchは明らかに健康増進機器を志向している
こうした細かい改善やセンシングはユーザーにとってはあまり魅力的には感じられないかもしれませんが、正確な測定を行うためには必要な機能です。
すでにApple Watch Series 4にECG(心電図測定)を搭載していますが、まだ日本では許可が下りていないため使用することはできていません。しかし、今後日本で心電図測定が可能になればその用途範囲はさらに広がると考えられます。
そのためにも、医療的に十分に利用できるとみなされるレベルまでその測定の精度を高めることが必要不可欠であると考えられます。
Source: Apple Watch bands that detect fit could be key to accurate health monitoring