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砂糖入り飲料をどのくらい飲むと体重はどのくらい増えるのか?

読者対象
  • ジュースを飲むと太ると言うけれどどのくらい太るのか知りたい人
  • なぜ甘い飲み物は太りやすいのか知りたい人
  • トレーニング中に甘い飲み物が欲しいけれど量を気にしてる人
糖分が欲しくなるときってあるよね。それにブドウ糖は吸収が早いって聞くから運動をしたときはちょっと飲みたいよね。

清涼飲料水に含まれる砂糖はどのくらい?

そもそも清涼飲料水とはなにか?

日本では甘い飲み物を「清涼飲料水」と呼びますよね。コーラなどの炭酸飲料はもちろんですが、フルーツジュースやコーヒーにも砂糖はたくさん含まれています。

アメリカでも清涼飲料水の摂取が糖尿病や肥満の原因として指摘され続けており、日本でもアメリカンサイズというのは食べきれない、飲みきれないくらい大きなメニューとしてよく知られています。

英語ではSugar-sweetened beverages (SSBs)、すなわち「砂糖入り飲料」と言われます。その過剰摂取による悪影響やリスクはみなさんも聞いたことがあるかもしれませんが、なんと言っても口当たりが良いのでどんどん飲んでしまうというのが欠点です。

炭水化物ダイエットをする前に甘い飲み物をなしにしなければなりませんね(泣)

砂糖よりも甘い砂糖が存在する!?

いわゆる甘い飲み物には基本的には「ショ糖(砂糖)」が含まれています。

科学的にはスクロースと呼ばれています(50%グルコース、50%フルクトース)。グルコースは果実や蜂蜜に含まれており、「ブドウ糖」と呼ばれます。

フルクトースはこのグルコースの異性体(同じ化学式だが構造が異なる)で同じく果実や蜂蜜に含まれています。これらは果実やはちみつなど当然自然に存在するのですが、これを様々な方法で濃縮したり、別のデンプンから作ったりすることで工業的に製造されます。

また、高フルクトースコーンシロップ(HFCS)はこのスクロースを更に甘く感じさせるために生成されたショ糖です。日本語では「異性化糖」と呼ばれており、グルコースとフルクトースとの配分が異なります。多くは45%グルコースと55%フルクトースからなります。230mlあたり25 kcalを超える量が含まれています。

あまり身近ではないと思うかもしれませんが、それはHFCSが固形では保存が難しいからです。そのため清涼飲料水に使われることが多いのです。また、コーヒーを飲むときに使われるガムシロップはまさにこのHFCSです。(果糖ブドウ糖液糖が原材料です)

スナック菓子でよく見るコーンスターチも砂糖の仲間?

「コーンスターチ」という物質を一度は目にしたことがあるかもしれません。

これは一般家庭ではあまり使うことがないかもしれませんが、トウモロコシを原料にしたデンプンです。スナック菓子の「サクッと感」を出したり、中華風あんかけのもと、プリンのとろみの元になります。

ちなみにじゃがいもを原材料にしたデンプンは「片栗粉」ですね。

こちらもとろみをつけたり材料を固めたりする効果があるので、料理に使われることが多いのと同様、コーンスターチも料理やお菓子に使われることが多いです。

先程紹介した「異性化糖」はかつて日本でさつまいもの生産過剰を緩和するために、さつまいもからデンプンを作り、さらに異性化糖を作り出す研究がされていたことがありました。

ショ糖の製造はサトウキビやてん菜から作られるものですので、本州では収穫できませんが、さつまいもから甘みが作られれば代替できると考えたようです。実際に開発は成功し、現在はその原料はトウモロコシ(コーンスターチ)になりましたが、砂糖類のうち4分の1を占めるほどになり、主に清涼飲料水で用いられています

つまり、デンプンや砂糖類というのはもともとは確かに自然の野菜や果物から作られているのですが、それをさらに工業的に精製していくことでより甘みを感じさせる製品に進化してきたということです。栄養的には当然に炭水化物となります。

ちなみにあのタピオカの元「タピオカ粉」もデンプンの一種ですよ。

清涼飲料水・砂糖入り飲料と体重の関係についてのメタアナリシス

清涼飲料水を飲む人がどのくらい太るか世界の研究を再分析

誰がなんと言おうと明らかかもしれません(笑)

ただ、砂糖入り飲料(SSB)と体重の関係をもっと正確に知りたい。そこで、栄養学のトップジャーナルThe American Journal of Clinical Nutrition(アメリカ臨床栄養学会誌)に掲載された論文を見ていきましょう。

今回の研究手法もメタアナリシスという「過去の研究を系統的・批判的に検討し、定量的に再統合、再検討をする方法」による研究論文をご紹介します。

小児の砂糖入り飲料と体重の関係は?

今回のメタアナリシスの対象には36件の論文が含まれます。

小児を対象にしたものが20件(15件のコホート研究、n= 25745、5件の臨床試験、n= 2772)および大人を対象にしたものが12件(7件のコホート研究、n= 174252; 5件の臨床試験、n= 292)でした。

「95%Cl」とは「母集団から標本を取ってきて、その平均から95%信頼区間を求める、という作業を100回やったときに、95回はその区間の中に母平均が含まれる」参照:統計WEB

「ランダム効果モデル・固定効果モデル」とはメタアナリシスでもちいる重み付け平均のとり方のモデルで、「真実の結果が単一である(と考えられる)場合には、固定効果モデル (FEM)を用い、真実の結果が複数存在する(と考えられる)場合には、ランダム効果モデル (REM)を用います。」参照:大阪大学大学院医学研究科

つまるところ、ものすごく端的にいえば「毎日350mlの清涼飲料水を摂取している小児は1年後BMIがだいたい0.06増加するだろう」ということが分かります。

正確に言うならば、nを母集団から選択してくると、95%の確率で平均0.02~0.1BMIが増えるという結果が出るということです。(ちょっと考え方が難しいので統計学検定のテキスト等をご参照ください)

 

また体重はランダム効果モデルにて0.22kg(95%CI:0.09、0.34kg)および固定効果モデルにて0.12kg(95%CI:0.10、0.14 kg)増加することが判明しました。当然ですが、逆に1日あたりの砂糖入り飲料摂取量が減少した場合、BMIの減少を示しました。-0.17(ランダム効果モデル、95%CI:-0.39、0.05)-0.12(固定効果モデル、95%CI:-0.22、-0.2))。

大人が砂糖入り飲料を毎日350ml摂取したときに1年後の体重は増加?

それでは、大人の場合の研究結果を見てみましょう。

臨床試験において砂糖入り飲料を1日約350ml摂取をしたとき、1年後の体重は0.85kg増加しました(95%Cl:0.50、1.2kg)。また、コホート研究では砂糖入り飲料の1日当たりの1食分の増加は、1年間で0.22 kgの追加の体重増加(95%CI:0.09、0.34 kg)と関連していました。

「砂糖入り飲料を毎日飲んだら、1年後の体重が増加するのか?」

この問いに対しては「YES」というのが答えになります。ただし、その増加量の平均は0.85kgであり、研究方法の違いによって0.22kgとも考えられます。

体重というのは清涼飲料水を飲む以外の食事の影響も受けますが、今回のメタアナリシスではそうした条件を踏まえた上で統計的な分析を行っているため、砂糖入り飲料と体重の関係だけに焦点を当てた場合でも、ほぼ間違いなく一定量の体重増加が認められます。

結果としてコホート研究およびRCTの系統的レビューおよびメタアナリシスは、砂糖入り飲料摂取が小児および成人の体重増加を促進するという証拠を提供していると結論付けられます。

清涼飲料水と体重の関係を調べた際の研究デザイン

今回のメタアナリシスの研究デザインの概要

系統的レビューとメタアナリシスを実施し、小児と成人の証拠を要約した。

前向きコホート研究および砂糖入り飲料と体重の関係を評価したランダム化比較試験(RCT)について、2013年3月までのPubMed、EMBASE、およびCochraneデータベースを検索した。ランダム効果モデルと固定効果モデルを使用して、小児と成人、およびコホートとRCTに対して別々のメタアナリシスを実施した。

前提となるメタアナリシス対象論文の検索条件

SSB(炭酸飲料、甘味飲料、ソーダ、スポーツ飲料、フルーツ飲料)と体重(体重、BMI、過体重、肥満)、関連する心臓代謝的転帰(糖尿病、インシュリン耐性、心血管疾患、高血圧)、および研究テーマ/疫学的方法(すなわち、疫学的研究、コホート、症例対照、臨床試験)は、タイトルと抄録には、医学的主題の見出し用語とそれに対応するキーワードの展開版を使用しています。

小児を対象とした15件のコホート研究のうち、大多数は米国(n=10)、ヨーロッパ(n=4)、およびカナダ(n=1)で、ベースライン時の年齢は2歳から16歳までであった。成人を対象とした7件のコホート研究のうち、大部分は米国からの黒人集団または白人集団で実施され(n=6)、1件はオランダからの研究であった。

こうして見てみるとほとんどの研究は米国もしくはヨーロッパで、人種は黒人または白人となっているので、もともと砂糖入り飲料の消費量が少なく、肥満も少ない日本人にとっては平均的に見れば重要性は低いのかもしれませんね。

研究者からのコメント

砂糖入り飲料は糖分の含有量が多いこと、満腹感が低いこと、および液体カロリー摂取後の食事でのエネルギー摂取量の不完全な代償的減少によって、体重が増加する可能性があります。

今日の論文

Malik, Vasanti S., et al. “Sugar-sweetened beverages and weight gain in children and adults: a systematic review and meta-analysis.” The American journal of clinical nutrition 98.4 (2013): 1084-1102.

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