2018年6月にロシアで開催された「2018年FIFAワールドカップ」において、公式審判101名が使用する腕時計には、スイスの高級腕時計メーカー「ウブロ(HUBLOT)社」によるスマートウォッチが採用されました。
ウブロがスマートウォッチを発表したということに驚きが上がりましたが、実はこのスマートウォッチはウブロの腕時計モデルの中では最も安価な時計(約56万円)です。その一方で最も高価なスマートウォッチの一つでもあります。
この「Big Bang Referee 2018 FIFA World Cup Russia」はスマートフォン側はAndroid4.4以上、またはiOS9以上を使用するすべてに対応しており、充電はパッドで行うため手軽に充電できます。
また中央に表示されている旗は32の参加国を表しています。またウブロは特許取得済みの「ワンクリック・ストラップシステム」を採用しており、ストラップを簡単に様々なデザインのものに交換することができます。また、審判向けに開発されているためゴール時には時計が振動する機能もついています。
暑さは13.9mmで、特注チタンケースは50メートルの防水、タッチスクリーンは直径35.4mm(400ピクセル×400ピクセル、287ppi)であり、CPUは1.6GHzのIntel Atom Z34XXディアルコアプロセッサを搭載しています。
メモリ(RAM)は512MB、加速度センサー、ジャイロセンサ、NFC、マイクロフォン、GPSなどが搭載されています。バッテリーは410mAhで2時間の急速充電が可能です。1回の充電で1日中使用しても問題ありません。
ウブロがバーゼルワールド2018で機械式腕時計を精力的に発表する一方で、FIFAワールドカップ2018のために2018個限定でスマートウォッチを発売したのは、ウブロの経営スタイルの変化があると米ウォッチタイム誌は論じています。
まず、タグ・ホイヤーがスマートウォッチに取り組んだのは2015年、その間にiPhoneXのような高級デジタルデバイスは、若者の間で一種のステータス・シンボルとしての役割を担っています。こうした若い世代は常にスマートフォンに接しており、腕時計を着ける代わりにiPhoneを使うことでその流行への敏感度や生活スタイルを表現していると言えるのです。
またフランスのLVMHは42ミリのAndroid Wear OS搭載スマートウォッチである「ルイ・ヴィトン・タンブール・ホライゾン(Lush Vuitton Tambour Horizon)を2,450ドルという価格で発表しました。このルイ・ヴィトンのスマートウォッチは高級スマートウォッチを知らしめるのに一役買ったとブルガリCEOのジャン・クリストフ・バビン氏はWatch Time誌のインタビュー延べています。
Source: https://jp.louisvuitton.com/jpn-jp/stories/tambour-horizon#
またこのモデルはタグ・ホイヤーが2015年に用いた「タグ・ホイヤーコネクテッドモジュラー」を採用しており、2017年に発表されたConnected Modular 45では徐々にハードウェアの組み立てと生産をスイスのヌーシャルテル州ラ・ショー=ド=フォン(La Chaux-de-Fonds)に統合し、スイス製認定要件に準拠した最初のスマートウォッチとして販売されています。
米WatchTime誌は「高級スマートウォッチ市場」がウブロの参入によっていよいよ立ち上がり始めていると論じています。
2015年にAppleは「Apple Watch 18kゴールド」を発表し失敗に終わったものの、エルメスとのコラボレーションモデルを精力的に発表するなど、ティム・クックは高級ブランドとのパートナーシップを成功させています。
こうした高級ブランドによるスマートウォッチは今後もますます注目されることが期待されており、ウブロの参入は大きな意味を持つでしょう。
Source: Why Hublot’s Big Bang Referee Smartwatch Might Be a Lot More Important Than You Think